ドイツにいたら一度は一緒に祝いたいFasnacht!
今年は暖冬ですが、みなさん風邪をひかず元気に過ごせていますか。
さて、今年もまたFasnachtの季節になりました。別名、肝臓ぶっ潰し月間の到来です。
フライブルクが位置するドイツ南西部でも盛大に祝われるFasnacht、一体どんなお祭りなのでしょうか。
地元の吹奏楽団に参加している青年部のメンバーの体験も交えて書きます。
Fasnachtとは?
ドイツ南西部でFasnachtと呼ばれるこのイベントはUNESCOの無形文化遺産に指定されているお祭りです。
直訳すると謝肉祭ですが、地域によって呼び方が様々です。例えば、RheinlandpfalzではFasching、ケルンではKarnevalと呼ばれています。
他にはどんな呼び方があるのかドイツのWikipediaで調べてみたところ…
Als Karneval, Fastnacht, Fassenacht, Fasnacht, Fasnet, Fasching,
Fastabend, Fastelovend, Fasteleer oder fünfte Jahreszeit bezeichnet man die Bräuche, mit denen die Zeit vor der vierzigtägigen bzw. sechswöchigen Fastenzeit ausgelassen gefeiert wird
出典:https://de.wikipedia.org/wiki/Karneval,_Fastnacht_und_Fasching
こんなにたくさん。
違うのは呼び方だけではありません。お祭りの意味、期間、祝い方や着用する衣装も様々です。一つ一つ紹介していると何日あっても足りませんから、ここでは有名なケルンのKarnevalとフライブルク周辺のFasnachtを比較します。
Fasnachtの意味
元をたどるとFasnachtもKarnevalも断食などを行う四旬節の前に、断食の間に腐ってしまいそうな食べ物を食べきる意味で行われていた行事でした。
現在では「どんちゃん騒ぎ」のイメージが強く、日本でいうところの渋谷のハロウィーンパーティーが数ヵ月にわたって祝われる感覚です。
実際にドイツ人の友人は、「この時期になると仮面をかぶってやりたい放題だから最高!」と言っていましたから今のお祭りが元の意味からかけ離れてしまっているのは明確です。
とはいえ、青年部メンバーの隣人である敬謙なキリスト教徒のロシア人は毎年きちんと四旬節を実行していて、乳製品、肉、魚、砂糖を口にしないそうです。人や地域によってこの時期の捉え方は様々なようです。
Fasnachtはいつから?
Fasnachtの正式な開始日時は公現祭の後にあたる1月6日とされています(公現祭については別記事で書きます)。
対して、ケルンのKarneval はなんと11月に始まります。
村に写真のような三角布やぼろ切れでできた飾りが現れたらそれがお祭りシーズンの始まりの合図です。この飾りはお祭りが開催されるメインストリートにだけ設置されます。なので、行き慣れていない村のお祭りにでかけるときはこの飾りを目印に会場へ向かいます。
Fasnachtの衣装について
記事の冒頭で紹介した衣装はフライブルクの衣装です。
Fasnachtの衣装と検索すると下のような写真が本当に数えきれないほどたくさん出てきます。それは、村ごと、部落ごとに別の衣装があるからです。
同じ村でも楽団員が着る物と踊り子が着る物は少し違うのでそれも含めるとすごい種類になってしまいますね。
どの衣装も基本的には以下のいずれかに分類されます。
- 悪魔、鬼を模したもの
- 魔女を模したもの
- 架空の怪物を模したもの
- 宮廷道化師の衣装
特に木彫りの仮面を使用した衣装はとても多いです。中には見た目も由来も日本のなまはげにそっくりな衣装もあります。面白いのは、名産を飾りとして縫い付けている衣装です。肩にぶどうの房がのっていたり、衣装を構成している布一つ一つがぶどうの葉の形になっていたり。
中には一見薄着に見える衣装もありますが、フェルトでできているためポカポカなんだとか。
ちなみにこの衣装は先祖代々手直しを加えながら着ていくのが基本だそうです。
もちろんこれから参加する人は地域の専門店で新しいものを購入することができます。
自分の住んでいる地域はどんな衣装だろうかと思った人は、「地域の名前+Narrenzunft」や「地域の名前+Karneval」で画像検索してみてください。
地域によっては由来や歴史をホームページで紹介しているところもあります。
ここでは例としてフライブルクの北部、SuggentalのFasnachtのサイトを載せておきます。
Fasnachtの見どころ
フライブルクでもケルンでも大きなパレードが行われます。二つの大きな違いは(もちろんケルンの規模は比較できないほど大きいですが)、フライブルクでは村ごとの衣装を着た人々の行進がメインなのに対し、ケルンでは人間が練り歩く他に画像のようなフロートが用意されていることです。
どうすれば参加できるの?
パレードは観る側としてなら誰でも参加することができます。チケットを買う必要もありません。衣装も着る必要はなく、普段着でOKです。
街のホールで開催されるお祭りに参加する、もしくはケルンのKarnevalに参加する場合は、仮装していく必要があります(した方が楽しめます)。衣装はハロウィーンのようになんでもいいので仮装をするか、地域の衣装に合わせた色を身に着けるといいです。
また、入場制限がかかることがあるので開催時間に間に合うようになるべく早めに現地へ行きましょう。チケットは地域によって様々ですが5~10ユーロくらいと思っていればいいと思います。
一緒に行進したい場合は、地元との関りを作る必要があります。例えば地域の楽団に参加するという方法があります。
実際に楽団に参加しているメンバーによると、一度お祭りシーズンが始まると、自分の村以外のお祭りにも奏者として招待されるため、1月と2月の2ヵ月間は毎週どこかしらのお祭りに参加することになるそうです。
とはいえ演奏するのはパレードで行進する間だけなので長くても1時間で、あとは夜通し飲んだくれるんだとか。相当の肝臓の持ち主でないとこれは乗り切れなさそうですね。
どこでいつ開催されるの?
フライブルクの詳しい開催日時、パレードのルート地図はここから確認できます。
他の地域のお祭りも行ってみたい人は、衣装の検索方法と同様、「地域の名前+Narrenzunft」や「地域の名前+Karneval」で探してみてください。
最後に
ヨーロッパは夏が観光のトップシーズンですし、クリスマスマーケットも終わってる今の時期は魅力ないなあと思われがちですが、FasnachtやKarnevalに参加すれば楽しいこと間違いなしです。観光で来ている人も留学生もぜひ一度は参加してみてほしいです!