ドイツ留学 -Freiburg im Breisgau-

ドイツ(フライブルク)での大学生活および日々の暮らしをお伝えします

留学生からの疑問・質問⑦ どうして日本人留学生は日本人でつるむのですか?

この質問は本当によく耳にしますし留学を考えている人や経験した人なら一度は考えたことがあるのではないでしょうか。

ドイツ語をマスターするには日本人と縁を切る覚悟でいないと!と考えている人もきっと多いはず。でもそれって本当に可能なのでしょうか。

今日はそんな悩みにも近い質問にお答えしたいと思います。

 

 

日本人同士でかたまる理由 

フライブルクの正規留学生の場合ですと、他の都市に比べて日本人の割合は圧倒的に少ないですから、自分自身あまり日本人だけで行動する、といったことに陥ったことがありません。

では交換留学生はというと、やはり日本人同士でかたまっていることが多いです。

その理由の一つは言わずもがなですが、”楽”だからです。

留学中は日本語でドイツでの苦労を話し合える時ほど気楽な瞬間ってないと思います。

管理人A個人の意見ですが、これ自体は特に悪いことだとは思いません。ストレス発散の一種というか、話し相手がいることってむしろ大事だと思うからです。

ですがなかなか難しいのが、あまり日本人とばかり一緒にいるとドイツ語学習の妨げになってしまうことです。これもまた当然!と思うかもしれませんがこれが留学生にはどうしても難しくなってしまう理由があります。

それは、同じ授業をとっている人の中に日本人がいることです。これは大学が組むカリキュラムなので個人で留学していない場合はどうしようもないことです。強制的に他の日本人と一緒の空間に入れられてしまうのですから。

なので日本人がいる環境でもドイツ語を頑張る精神力が必要になります。

対して(フライブルクに限るかもしれませんが)正規留学生はドイツ人95%以上の中に日本人がいる確率は極めて低いのでこういう状況にはなりません(※ただし芸術系や英語での履修は正規留学生であっても交換留学生と同じような状況になりやすいそうです)。

 

日本人とは関わらなければいいじゃん

そんなの絶対大丈夫!ドイツ語を勉強するためにドイツに行くんだから!と思っているそこのあなた!

あなたのような真面目で努力家な人ほど「日本人どっぷり」に陥りやすいです。

私は過去に何人も交換留学生を見てきましたが、「自分は絶対に日本人とだけは関わらない」と公言している人ほど最終的につるみます。

正に相乗効果です。今からでも統計を取って裏付けを得たいくらいです。

 

でもこれっていったいなぜだと思いますか?

 

答えは簡単、力みすぎによるガス欠です。

留学は大変です。どんな人でも精神的にかなりやられます。それは決して恥ずかしいことではなく、当然のことです。

ところがこれを理解できないで、というのか、そういう心の準備ができていないままにドイツへ来てしまうと、予想だにしていないところへの大きな一発となるわけですから、それだけで完全ノックアウト状態になってしまいます。

ノックアウトになった人がどうなるか、日本人へ癒しを求めます。日本や日本語が恋しくなります。

そしてこういう時に日本人と話す経験をしてしまうと、もうその効果は絶大、まるで薬物です。やめられなくなります。

これが留学生が陥りやすい負のスパイラルです。先にも書いた通り、真面目な人ほどこうなります。

 

日本人と関わったっていい

じゃあどうすればいいの?と思うかもしれませんが、大丈夫、答えは簡単です。

日本人を自ら無理に遠ざけることはしなければいいんです。

最初の項目にも書きましたが、私は日本人とつるむことが悪いとは思いません。

異文化に触れると楽しいし刺激もいっぱいですが、同時に誰でも疲れを感じます。今まで慣れ親しんだ文化が通用しないのですから当然です。

だからこれから留学するみなさんにはぜひとも、力まず焦らず、きっと大きなカルチャーショックを受けるだろう、とか、ホームシックになって日本が恋しくなるだろう、でもそれは決して恥ずかしいことではないんだ、と自分に言い聞かせておいてほしいです!

 

つるみすぎはやっぱり毒?

今すでに留学(特に交換留学生)していて日本人とばかりつるんじゃうなって人も自分を責めないでください。

でもドイツにいるのにずっと日本人とばかりってやっぱり勿体ないですよね。

これはもう努力して誘惑を断ち切るしかないのですが、その方法をいくつか紹介しておきます。

  1. 自分で見つけた新しい活動に参加する
    スポーツでもボランティアでも映画観賞でもなんでもいいです。とにかく留学してから今まで挑戦していなかったことをやってみましょう。
    ただし、自分で見つけるというのがポイントです。日本人から聞いたものは結局日本人がいるところへ行くことになるのでやめましょう。
    もちろん大学のサークルでもいいですが、オススメは地域に根差した団体(社会人バレーチームなど)に入ることです。地域のお祭りなどに呼ばれるようになり、大学生活では経験できないことに挑戦できます。

  2. 日本語を使うバイトやボランティアをしない
    1のアドバイスをすると多くの留学生がなぜか日本食レストランでのバイトや日本人団体のボランティアに手を出します。
    これがダメなわけではありませんが、これはどちらかというと正規留学生あるいは日本語を勉強したい人向けです。たった数ヵ月あるいは1年しかない交換留学の期間に自らを日本語を使う環境にもっていくのはやめましょう。
    というと、コネクションができるからという子がいますが、フライブルクでの日本人とのコネクションを具体的に何に使いたいのか、本当に使えるのかよく考えましょう。

  3. 日本語ができないドイツ語ネイティブのタンデムを探す
    タンデムの大きな落とし穴は相手が自分よりはるかに上手な場合に、こちらが学ぶことが圧倒的に少なくなってしまうことです。つまり外国人と一緒なのに日本語を話してしまってドイツ語の勉強になりません。ですからなるべく自分と同じレベルか自分より低い人を探しましょう。そうすればタンデム中にドイツ語を使う割合が圧倒的に増えます!
    そこでもう一つ気を付けたいのは、相手はネイティブを選ぶことです(例えばイタリア人だけどドイツ語は上級者レベル、はネイティブではありません)。どんなに努力して勉強してもそこで生まれ育った人の言語にはどうしても勝てませんから、期間限定の留学で来ている人ほど相手がネイティブがどうかにはこだわった方がいいです(ネイティブでない人とやる楽しみもありますが、それはあくまで長期滞在者向けだと私は思います)。

  4. 移動中など空き時間に聞くのはドイツ語の音楽かラジオ
    他の3つに加えてやっておきたいのが音楽やラジオを日常的に聴くことですが、他の3つをどうしても実行できない場合もこれならとっつきやすいのではないでしょうか?
    理解できなくても聴く意味はあります。何度も同じ単語を耳にすると、そういえばこの単語の意味はなんだろうと自然と気になり始めます。
    ニュース系ならDeutsche Welle、音楽ならBB Radioがオススメです。

  5. 過去に観たことのある映画をドイツ語で観る
    そもそもドイツ語でないものをドイツ語で観ると不自然な翻訳になっていることもあるのでドイツ映画の方がよりお勧めですが、初見のドイツ映画は理解が難しいことがあるので、とりあえず耳慣らし程度に今まで見たことのある映画をドイツ語で観ることをお勧めします。

日本人なんて周りにいないんだけど?

そういう人は悩みがない、わけではありません!!

今最高に楽しい!というときほどご用心!車の免許も取り立てより少しして余裕が出た時が一番危いですよね。それと同じです。

余裕を感じた時こそしっかり休んでください。日本にいた時好きだった曲を聞くとか、日本っぽいものを食べるとか、なんでもいいのでホッと一息いれてください。

 

最後に

どうでしたか?みなさんの参考になったでしょうか。

どんな留学の人にも共通して言えることはやはり「継続は力なり」です。

太く短くでは意味がありません。細くても長く続けてこそ成果がでます。

そのためには、

  • 心の準備をしておく
  • 最初にアクセルを踏み込みすぎない(自分を追い込みすぎない)
  • 余裕が出てきた時こそ一息入れる
  • 気が緩みだしても諦めずに自分を追い込む努力をする

というのを大事にしてください。