留学生の強い味方④ Latexで講義内容をまとめよう
フライブルク大学の夏学期は5月11日から、教育専門大学は4月20日から始まります!
みなさん、準備はできていますか?
今日は、講義内容をまとめるのにとっても便利なLatexを紹介します。
- Latexって何?!
- 何もダウンロードしないで使える!
- ただ一つネックになるかもしれないのは。。。
- Overleafに登録する
- シートの説明
- ドイツ語で出力できるようにしよう
- セクションの書き方
- スペースと改行の入れ方
- 箇条書きの書き方
- 練習あるのみ!
- 最後に
Latexって何?!
Latexとは組版環境のことで、論文やレポートなど文章を作成し印刷するためのプログラムです。
それならWordでいいじゃん、と思った方!
Latexの特に優れているところは、数式を簡単に美しく出力することが可能であるところと、出典・索引など(番号付けを要するもの)の管理が楽なところです!
自分は文系だから数式と無縁だし、やっぱWordでいいか!
と言わないで、一度Latexで文章を作成してみてください。
一度その楽さ、美しさ、スマートさに魅了されるとWordには戻れないですよ(笑)
何もダウンロードしないで使える!
これもLatexの魅力の一つですが、パソコンの容量を心配する必要がないんです。
オンラインで使えます!
世界にはたくさんオンラインでLatexを使えるサイトがありますが、今回紹介するのはOverleafです。
Overleafを紹介する理由はその需要の多さです。
大学でグループワークをすることになったとき、Overleafがとてもよく使われます。
というよりきっと一番使われています。
というのは、Overleafにはシェア機能があって、リンクさえあれば誰でも文章作成に関われるからです。
ただ一つネックになるかもしれないのは。。。
OverleafというよりLatexを使うにあたって、Wordよりも少し高い(?)ハードルがあります。
それはコードを覚えなければいけないことです。
LatexにはWordのようにボタンがありません。
例えば、箇条書きにしたい場合、「箇条書き」ボタンはないので、文章が箇条書きになるコードを書かなければいけません。
その他、文字を太字にしたり大きくしたり小さくしたり、画像の挿入なども含め、全てコードを書かなければなりません。
機械音痴なのでそれだけは無理!
と思う方もいるでしょう。
でもそこはグッと堪えてOverleafに登録してみてください。
よほど難しいことをしようとしない限り、基本的には同じコードを書くだけです。
しかも一度文章中で使ったコードはOverleafが覚えているので予測変換してくれます。
ネット上にはたくさんのコードがあふれていますから、万が一書き方が分からなくても、「Latex 箇条書き」といった具合に検索すれば済むことです。
Wordでも分からないことがあると同じように検索しますよね?!
まあとにかくここは一度やってみましょう♪
Overleafに登録する
Overleafのサイトにとぶと以下の画面が出てきます。
画像内の矢印が示しているところを押せば登録ができます。
普通の登録にはメールアドレスが必要です。
他に、Googleアカウントなどでログインする方法もあります。
登録ができたらログインしてNewProjectから真っ新なシートを開きます。
Overleafは日本語にも対応しています!
ですが私は英語で使っています。
というのはドイツの大学ではドイツ語が母語の人とばかり接するわけではないからです。
ドイツ人学生も基本ドイツ語のバージョンではなく、オリジナル言語の英語で使っているのでそこは合わせて英語のままがいいと思います。
シートの説明
NewProjectを開けるとこんな画面になっていると思います。
画面を説明すると・・・
一番右が現状できあがっている文章のプレビュー、
真ん中が文章作成に使うコードを書く部分、
一番左が図などアップロードしたデータが一覧として表示されるところです。
まずは右のプレビュー画面から。
左上の緑色のボタン「Recompile」はコードを書くたびに押してください(ショートカットは Ctrl + S です)。
押すたびに新しく文章がプレビューされてコードがどう影響したかが分かります。
緑のボタンの右隣はエラーの説明を出力するためのボタンです。
今は何もエラーが無いので押してもNoErrorと出るだけですが、コードを打ち間違えたりすると、ここにアプリの通知のような、赤い〇で囲まれた数字が表示されます。
その隣のボタンは文章をPDFにしてダウンロードするためのボタンです。
次は左の黒い部分を説明します。
左から数えて3つ目のマークが画像などをアップロードするボタンです。
ここでアップロードした画像は、真ん中の部分にコードを書き込むことで文章中に呼び出すことができます。
最初のうちは使わないので、真ん中のコード画面と右のプレビュー画面が見やすくなるように閉じてしまうといいです。
閉じるには、コード画面との境界線の真ん中あたりの白い矢印を押します。
最後に、真ん中のコードの部分を見てください!
全てのコードは必ずスラッシュ記号 \ で書き始めます。
これなしではコードとしてみなされないので注意してください!
上から順番に説明します。
\documentclass{article}
文章の種類を指定するコード。例えば和文を書きたいときは { } 内をarticleではなくjarticleにする。
\usepackage[utf8]{inputenc}
追加オプションのコード。ここでは文字の種類を指定している。
\title{TITLE}
\author{NAME}
\date{DATE}
3つまとめて先に書いておいて、下の \maketitle で呼び出す仕組み。
\begin{document}
\end{document}
この2つの間に文章を書くことができる。
endの後ろやbeginの前に書かれた文字は文章プレビューに反映されない。
\maketitle
先に指定していた内容(タイトル・筆者・日付)をここで出力する。
\section{Introduction}
セクション名を指定するコード。他に \subsection{ } や \subsubsection{ } があり、順に文字が小さくなる。
ドイツ語で出力できるようにしよう
上の説明でコードを覚えないと!と書きましたが、コードの知識なしでは何も書き出せないのかというとそんなことはありません!
Wordと同様、開けば最低限の設定は既にされている状態です。
まず、ドイツ語を出力できるようにするためのコードを入力しましょう!
画像のように既存の\documentclass と \usepackage の後ろに
\usepackage[ngerman]{babel}
を付け加えることによってドイツ語表記が可能になります。
青い文字、%Sprachanpassungはメモです。
このように%を最初に記すとその一文はコメントとして認識されます。
Sprachanpassungとは「ドイツ語に対応させるためのコードだよ」と言う意味です。
このように追加コードにはメモを書いておくと後で見たときに分かりやすく、新しい文章を書くときに不要なコードのコピペを避けることができます。
ドイツ語が本当に出力されるかどうかウムラウトやエスツェットを適当に打ってみてください。
私は ich möchte Bächer würden と書いてみました(笑)
全く文法的には成り立っていませんが、ちゃんと出力されました!
セクションの書き方
セクションには主に、
\section{ } \subsection{ } \subsubsection{ } の3種類あることを書きました。
それぞれを出力すると画像内右のように、章のタイトル前に数字がつきます。
これは講義の板書を写すときにとても便利な機能ですが、時に数字が邪魔になるときもあります。
そんな時は スター * を カッコ { } の前に付けます。
\section*{ } \subsection*{ } \subsubsection*{ }
そうすると数字が消えてタイトルだけになります。
スペースと改行の入れ方
基本はWord同様、文中の自然なスペースや自然な改行は勝手に反映されますが、強制的にここでスペースや改行を入れたい!と言う時は、入れたい場所で(文章の途中でも)次のコマンドを使用します!!
1文字分のスペース: \quad
2も自分のスペース: \qquad
改行: \\
箇条書きの書き方
箇条書きにはいくつか種類がありますが、基本的には2つ覚えておけば十分です。
一つ目は
\begin{itemize}
\item
\end{itemize}
のセットです。
これは一般的なドットを羅列するタイプの箇条書きに使います。
箇条書きの名前を自由に決めたいときは
\item の後ろに[]を書き、その中に箇条書きに使いたい文字を入れます。
下の画像では a,b,c を使っています。
もう一つは数字を使った箇条書きにした場合のコードです。
\begin{enumerate}
\item
\end{enumerate}
このアイテムを増やせば箇条書きも増える仕組みです。
練習あるのみ!
他にも数えきれないコードがLatexには存在しますが、まずはこの基本形をマスターしましょう♪
というか講義を写していればすぐに覚えられます!
そして、これを書きたいのにどうやるのか分からないという時はぜひコメントをください。
最後に
出力した文章はプレビュー画面の右上、Download PDF でPDFファイルとしてダウンロードすることができます。
そのまま以前紹介したStudySmarterにアップロードすれば講義内容から単語カードを作ることができます。
詳しくは下の記事で紹介しているので参考にしてください♪