ドイツ語ミニ講座② フライブルクの方言について
日本と同様、ドイツにもたくさんの方言(Dialekt)がありますが、フライブルクにももちろんあります。
今回はフライブルクの方言を簡単に紹介します。
語学学校の言葉と大学の言葉の違い
語学学校で習うドイツ語は方言のないものが一般的ですが、大学では教授でも平気で使っているのを見かけますし、フライブルクで覚えたドイツ語は方言である可能性もあります。
なるべく標準語という意識はあるものの、標準語で話さなければならないという決まりはありません。
むしろ方言の方が親しみがもてるから方言を使うべきだという教授もいます。
それにどんなに努力しても普段使っている言葉はついつい出てしまいがちです。
日本でも地方へ行けばそういう経験をしますよね。
フライブルクの方言
さてフライブルクの方言ですが、その名もBadisch/Alemannischです。
※Baden-Württembergの方言が全てBadisch/Alemannischかというとそうではないので注意してください!
日本語の方言だと九州の言葉くらいの感覚だと思います。
全体的にアクセントが標準語と異なり語尾も違うが、いつも何を言っているか全く分からないことばかりでもない、という感じでしょうか。
地元の人が方言のみで会話した場合、標準ドイツ語を勉強している人の理解度は30%くらいじゃないかと思います。
Bayernの方言(沖縄言葉・ズーズー弁)ほど酷くはないですが、ドイツ北部へ行くと通じないことが多い方言です。
フライブルクの方言の特徴
そんなBadisch/Alemannischの主な特徴として、
- 主語に関わらず動詞の最後の n を発音しない schaffen → schaffe
- st の部分が schまたはscht になる Es ist → Es ischt、Kannst du? → Kannsch?
- ei が ii になる Zeitung → Ziitung
などがあります。これはもしかしたら友人との会話などで気づいている人が多いのではないでしょうか?
フライブルクの方言を覚えよう♪
さて今日はそんなBadisch/Alemannischの単語をいくつか紹介したいと思います。
① Schwätzen(シュベッツェン)
おしゃべりするという意味です。
標準語だとRedenかUnterhaltenにあたります。
このschwätzenはフライブルクでは大変よく耳にする言葉です。
ヒトラーの時代には使用が禁止されてた時期もありましたが、あまりに使い慣れている言葉なために、schwätzenと口にした人々が次々に兵隊さんに連れていかれることがあったそうです。
② Soodele!(ソーデレ)
さてと!と言う意味です。
話の終わりに、それじゃあそろそろ行こうかなあ、のように使えます。
③ net(ネット)
標準語では優しいという意味ですが、方言ではnichtの意味になることがあります。
例:Drigg net so fescht!
あまり強く押すな!という意味です。
標準語では Drück nicht so fest! と書きます。
④ neu(ノイ)
標準語の新しいという意味ではなく、Neinの意味です。
新しいのNeuと聞こえますが、違うと否定されているので気を付けてください。
⑤ mir(ミア、もしくはマ)
Ichの三格の私にと言う意味ではなく、Wirとして使います。
日本語で言うところの「うちら」に相当すると思います。
例:Heit bleibe mir dahoim
今日は私たちは家に残るという意味で、標準語ではHeute bleiben wir daheimと書きます。
最後に
どうでしょうか?聞き覚えのある単語があったでしょうか?
それとも全くの新しい言葉ばかりでしたか?
最後にBadischで書いた文を載せておきます。
意味が分かるか挑戦して見てください!
- Hen se heut scho Badisch gschwätzt?
- Kummsch am Sundig vor de Kille go Chriesi günne?
- Grumbiere net newe die Zwiwwle.
地元の人にとって方言に親しみを持ってもらえるのは嬉しいことだと思うので、ぜひ普段の会話でも使ってみてくださいね!!