ドイツ留学 -Freiburg im Breisgau-

ドイツ(フライブルク)での大学生活および日々の暮らしをお伝えします

ドイツの大学事情: フライブルク大学教員課程の1セメスター目

今回はフライブルク大学の教員課程について書きます。
 

 

教員課程はどんなもの?

フライブルク大学の教員課程は、教育専門大学(PH Freiburg)と比べると圧倒的に教育系の内容が少なく、一般的な学部生とほとんど同じ内容を履修しなければいけません。
加えて、教師になるには2教科教えられなければならないので、2つの学部に同時に在籍することになります。
周りはみんなそれだけを研究しに入学した学生という環境の中で日本の教員課程レベルのことしかやってきていなかった私はついていくのでやっとでした。
私が選択したのは日本で免許をとった数学と、相性がよさそうだったという理由から情報、の2教科でした。
 

履修する科目は?

履修案には、それぞれの学部で2科目ずつ履修、それに加えて教員課程のオプションで1科目履修するように書いてあったので迷わず履修登録をしました。
結果、私の一週間の予定は、
 
月曜日:
8:00 解析学課題提出締切
8:15-9:45 線形代数学
10:15-11:45 線形代数学(課題)
14:15-15:45 教育学入門
16:15-17:45 プログラミング入門(課題)
火曜日:
8:15-9:45 解析学 
10:15-11:45 プログラミング入門
14:15-15:45 情報技術
16:15-17:45 情報技術(課題)
水曜日:
8:15-9:45 解析学
木曜日:
8:00 線形代数学課題提出締切
8:15-9:45 線形代数学
10:15-11:45 解析学(課題)
14:15-15:45 情報技術
金曜日:
10:15-11:45 プログラミング入門
12:00 教育学入門課題提出締切
16:00 情報技術課題提出締切
20:00 プログラミング入門課題提出締切
 
それがあまりにも大変なことだと分かったのは講義が始まってから2週目のことでした。
 

最初っから履修案通りになんて無理

数学も情報も、理系の教科には必ず課題提出がついて回ります。
1科目につき1枚(約4問)、毎週提出しなければならず、加えてその課題の総合点が50%を越えて、しかもそれぞれの課題授業(上のスケジュール参照)で1度はクラスの前に出て自分の回答を発表しないと、試験を受ける資格をもらえません。
そこへきてさらに教育学入門も課題が出されていました。
水曜日は午前中で授業が終わるので余裕があると思っていましたが、そもそもドイツ語ができてもドイツ語の数学や情報は勉強したことがないので、ひたすら辞書や参考書とにらめっこでもう予習復習をやる時間はなく、土日もずっと課題に追われていました。
おかげですっかり意味も分からないまま学期末を迎えてしまい、試験では大失敗。
すごく後悔しています。
よくよく聞いたら、この履修案のとおりにとっている学生はドイツ人でも誰もいませんでした。
どんなに数学や情報に自信があったとしても、この量はほんとうに不可能だとみんな言っていて、それじゃあ何のための履修案だろうかと愕然としました。
 

え、予定通りに卒業する人なんていない?!

こうなると、きっかり5年で教員課程を履修し終わるなんて無理難題なのではないかという疑惑が生じますが、このシステムになったのは2015年の冬学期から。
つまりまだこういう意見は反映されていない状況なんでしょう。
試験については改めて書きますが、日本のように無限回は受けられません。
そこがまた厳しいポイントです。
教員課程は次々と脱落者がでると聞いていましたが、半年経ってそんな状況にも納得しました。
衝撃的なことに、数学と情報を組み合わせている教員課程の学生は私を含めて2人だけになってしまったそうです。
これには本当にびっくりです。。。
 

教員養成課程なのに

この様子だと生き残る学生が数学・情報オタクばかりになっていく気がして怖いです。
誰でも修了できる日本のような状況も変だなと思いましたが、教育的知識ではなく、ただ数学・情報がよくできるだけで課程を修了できちゃうドイツもう~ん、ちょっとどうなんだろう。
そこに疑問を呈してる教育課程の学生はすごく多いです。
近いうちに教育専門大学の授業の見学に行く予定なので、どんな講義やシステムなのかまた書きたいと思います。