ドイツ留学 -Freiburg im Breisgau-

ドイツ(フライブルク)での大学生活および日々の暮らしをお伝えします

大学のドイツ語① 情報工学部 Proseminar/Seminar

もうすぐ新学期が始まるので、大学に関する記事を書こうと思います。今日は情報工学部についてです。

 

 

Proseminar/Seminarとは

情報工学部には3学期生以上で履修できる、ProseminarとSeminarというものがあります。簡単に言うとゼミのことです。

この2つは他の講義と違い、非常に厄介な科目です。というのは、履修必須科目でStudienleistung(成績はつかず、合格か不合格かだけを通知される)ということ以外何もどこにも記載がないからです。

他の学部の多くは、Seminarを履修したい学期の前の学期末までに履修希望を提出、もしくは顔合わせに出席する必要があります。

情報工学部での顔合わせは学期開始から2・3週間後です。ところが、ホームページで開講予定のゼミ一覧などは見られませんし用意されません。

なので、履修予定の人は自分で顔合わせ日時を調べる必要があります。

 

履修登録の方法

以下にProseminar・Seminarの登録から履修の流れを書いておきます。

  1. HisInOneでそもそも存在している(過去に開講されている)ゼミの一覧を見る。その中に(まれに)履修登録受付中というタグが出ているものがありますが、これでは履修登録完了とはしないゼミが多いので、ここで登録しても安心しないでください!
  2. このリストに存在しているゼミの名前をコピーしてそのままウェブ検索にかけます。本当に開講予定であれば、ウェブサイトが個別で用意されています。もし何も見つからなければ、今学期には開講予定はないということです。例として、私が履修したProseminarのサイトを載せておきます。
  3. ウェブサイトが見つかったら、そこに書かれた顔合わせに参加します。予約や事前連絡は必要ありません。顔合わせは大まかに、テーマが用意されていてその場で学生に選ばせるタイプと、概要を説明して解散後に後日テーマを発表・選択というタイプとがあります。この時点で人数が多すぎるために、高学年の学生を優先して選ぶという場合もあります。
  4. テーマが決まると自分のSupervisor(担当者)の名前と連絡先を知らせるメールが届きます。Supervisorは基本1学生につき1人ずつ個別についてくれます。
  5. ここからは自分で配布された資料を読み込んでまとめる作業をします。だいたいのゼミでは、2ページくらいのAbstract、20分のプレゼンテーション、10ページくらいのSummery、の3つを準備するように求められます。それぞれの様式などはウェブサイト上で指示が出されます。出ない場合は、Supervisorに確認するか、過去のゼミのサイトを参考にしましょう。
  6. ここでやりがちなのが期限ぎりぎりにスタートすることですが、とにかく早めにどんなめちゃくちゃな文章でも構わないのでSupervisorに送りましょう!どうしたらいいかさっぱり分からない場合も、その旨をSupervisorに伝えましょう。それに対応するのがSupervisorの仕事です!!
  7. ProseminarもSeminarも試験が無いので、学期末(試験期間終了後)に成績(合格か不合格)がきちんとHisInOneに反映されているか確認しましょう。基本的にプレゼンテーションに参加さえすればどんなに酷い内容でも必ず合格になります。

 

どのテーマを選べばいいの?

さて、ProseminarとSeminarはいったいどのテーマでとったらいいのか…と悩む人は多いはずです。ですが、これはあくまでBachelorarbeit(卒論)の練習です。教授もこれが練習の場であることはわかっているので、自分には難しそうなテーマだと思っても、安心して挑戦してください!

席がなくて在学年数が延長されることの方が悲惨です。それに、聞いたことのないテーマでもやってみると興味深かった、なんて話もよく聞きます。まずは開講予定のゼミの顔合わせに行ってみましょう。どうしても無理だと、思えば後から辞退することが可能です。

 逆に、あまり人気の高いゼミはよっぽど関心のあるテーマでない限り選ばない方がいいです。

 

人気のテーマは?

私がProseminarで選んだゼミはロボットナビゲーションで、Seminarはロボット倫理でした。前者は顔合わせの時点で2人しかいなかったのに対して、後者の方は100人を超えていて、履修希望者が部屋に収まり切りませんでした。履修できないということは半年ないし1年在学年数が伸びるということになるので、100人から選ばれなかったときは本当に憤りを感じましたし焦りもしました。

この時は、なんと「選ばれなかった」という連絡が着たので、それでは1年大学が延長される分をどう補償してくれるのかとメールしたところ、補欠の第一リストに入れてもらえました。そこにちょうど空きが出たので、なんとか参加できることになりました。連絡していなかったらどうなっていただろうと思うと恐ろしいです。

 

まとめ

上に、ProseminarとSeminarは卒論の練習の場だと書きましたが、教授やSupervisorたちの雰囲気を知るのはとても大事なことです。

私が先に選んだProseminarを担当した教授やSupervisorは本当に熱心な人たちで、これでもかというくらい念入りに打ち合わせをしたり提出物やプレゼンの訂正をしてくれました。

ところがSeminarを担当した教授やSupervisorはあまりにも計画不足で進行も緩く、連絡しても2週間返信がなかったり、何を聞いても「大丈夫」としか言わなかったりで、自分は十分に準備できているという感覚が得られないままプレゼン初日を迎えました。結果、2日に及んだプレゼンは、自分だけでなく他の人の発表も本当に悲惨なものばかりでした。

今振り返ると、Proseminarでは他の人の発表からも学ぶことがありましたしやりがいも感じましたが、Seminarではとにかく時間がすぎるのが遅く拷問のようで、何も得る物がなかったと感じました。情報工学部では卒論でもSupervisorが付くので、Supervisorと彼らへの指示がどれだけしっかりしているか、学べるものがあったかどうかで卒論を書く研究室を選ぶといいと思います。