ドイツ留学 -Freiburg im Breisgau-

ドイツ(フライブルク)での大学生活および日々の暮らしをお伝えします

フライブルク大学森林学部修士課程: 気候変動とキクイムシ

 

9月20日に世界163か国で行われた「気候変動問題に関する学生ストライキ」の参加者総数は、なんと400万人以上。

ドイツでは約575都市で開催され、70万人以上の国民が参加したと報告されています。

私がインタビューを行ったフライブルク市でもおよそ3万人が参加しています。

 

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さて、では気候変動で具体的にどのような問題が森林で起きているのか、1つの例を元に紹介したいと思います。

上の画像は近年よくドイツの森で見られる夏の光景です。

普通なら青々と葉を輝かせているトウヒ(Fichte)ですが、多くが茶色く枯れていることがわかります。

この直接的な原因となるのがキクイムシ(Borkenkäfer)です。

キクイムシは樹木の樹皮や辺材の内部で繁殖活動を行います。

それによって成長阻害や、菌の侵入による病気がもたらされ、樹木は枯れてしまうわけです。

 

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キクイムシの被害は産業面にも及びます。

上の画像はキクイムシが樹皮の中で繁殖活動した後の様子です。

木材は変色し、組織が破壊され、木材の価値は一気に下落します。

そうなってしまったら林家さんは涙目です。

 

長々とキクイムシについて書いてきましたが、これがなんで気候変動と関係があるのかとお思いの方も多いかと思います。

実はこのキクイムシ、大量に繁殖する条件があります。それは、、、

1. 気温が高い

2. 乾燥している

ここ近年ドイツでは気候変動の影響で、気温が高く、雨が降らない夏が続いています。キクイムシにとっては楽園そのものですね。さらに夏の時期が長いため、キクイムシはひと夏で3回ほど繁殖し、被害は爆発的に拡大します。実際に、それによって大規模な面積のトウヒの単相が全滅したという例があります。

 

このようにキクイムシの例だけでも、気候変動が森林にもたらす影響は絶大であります。他にどんな影響を及ぼすのかは、管理人Bの運営するホームページでご覧ください!より細かく森林や環境などに関して書かれています!

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